令和元年度採択事業者 インタビュー

2020年6月作成

株式会社Lily MedTech

BioARC株式会社

いままで受けてきた支援のなかで間違いなく一番充実しています

株式会社Lily MedTech
代表取締役 東 志保

経験豊富な専門家の支援を受けることができます

――AMDAPの支援を受けて、率直な感想を教えてください。

技術領域に限らない、幅の広い支援をいただいています。医療機器の開発に必要なマーケティング、法務、規制など、「専門家の話を聞ききたい」と伝えればすぐにカタライザーの方と事務局の方が適切な専門家を紹介してくれます。

私たちが今まで受けてきた支援のなかで間違いなく一番充実しています。迅速で柔軟で、しかも適任の方をご紹介いただけるので、支援の輪がどんどん広がっていくような感覚ですね。

たとえば、いま開発している診断・治療機器は、競合するメーカーが米国にあります。自分たちでも競合調査はしてきましたが、他の機関による調査分析を参考にして、より客観的な判断をしたいと考えていましたので、AMDAPの支援を通じて調査できる方をご紹介いただきました。

また、ある技術開発上の課題について専門家の意見を聞きたいという要望が以前からあったのですが、社内の人脈をたどっても「これだ」という方に巡り会えずにいました。ところがAMDAPの方々に相談したところ、私たちが求める知識をおもちの適任の方をすぐにご紹介いただくことができました。

薬事(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、以下「薬機法」)の対応に関しても行政とのやりとりの経験豊富な方をご紹介いただき、大変助かっています。知的財産権(特許)の専門家の方をご紹介していただいたときにもとても鋭い分析をしていただき、新たな特許出願を依頼することになりました。 AMDAPからのご紹介をきっかけに、改めて当社の顧問としてお迎えしたいと思うくらいの先生方がいらっしゃいます。

医療機器は主に医療従事者により使われますので、医療機器を開発する際には、まずは医療従事者からマーケットニーズを確認することが重要です。これに加え、薬機法上の認可を得るという大きなハードルがあります。認可のハードルが高くなりすぎる開発目標を設定してしまうといつまでも認可が通りません。保険収載も同様で、希望する点数が高すぎるとうまくいきません。認可や保険収載の設定が変われば開発内容も変わります。機器開発と認可とのバランスを考慮して全体の戦略を考えるために、経験豊富な専門家が欠かせません。AMDAPの支援を通じて、そうした専門家と知り合うチャンスが増えています。

薬事や行政対応などの助言が豊富

――支援の期間が長い、ということについてはいかがですか。

薬事や行政対応などの助言が豊富 東志保さん

AMDAPの支援の仕組みは、数多くの専門家に会うことで、事業者との相性のいい方をみつけ、長期的に伴走していただく仕組みになっていると思います。

一番伴走していただいているのは、薬事のコンサルタントの方です。どのくらいの保険の点数を狙えそうかを調べていただいたり、承認審査の内容について調査していただいたり、複数の乳がんのガイドラインをご確認いただいたりと、多岐にわたってご指導いただいています。PMDAの承認審査に関わられていた方ですので、より適切な審査を受けられるための関係者との調整についても含めご提案いただきました。治験の対象者やプロトコールをどう設定するかという難しいところも相談させていただいています。

AMDAPの支援に基づく専門家の方々とのミーティングは、平均すると月に3回くらいですが、多い月には10回になることもあります。面談の中で新たな課題が確認され、同じ方に何回もお会いするということもあります。AMDAPの支援による面談の回数は決まっていますから、ある月の面談回数が多い場合に、他の月の面談回数が少なくなるといった調整もありますね。

それでも、「どうしてももっとお話を聞きたい」という場合には、AMDAPの支援の枠を越えたところで、改めてお願いをすることもあるわけですが、支援によって出会った方が本当に良い人材なので、おかげさまで、当社の人脈がいい方向に広がっています。

がんの早期発見と予防的早期治療を支える

――御社の事業の将来性について教えてください

がんの早期発見と予防的早期治療を支える 東志保さん

乳がんの診断機器にAIを搭載します。撮影された画像からがんの疑いのある個所の特定やがんであるかの判断は、医師によりおこなわれます。私たちは、AIによる読影、つまり画像分析をおこなうことで、医師の負担を軽減させながら、常に質の高い画像診断をおこなえるようにしたいと考えています。完全にAI化するというよりは、AIが見て、人間が見て、複数回の確認作業の精度を上げるというイメージです。

とはいえ、乳がんの初期は微妙で、完全にがんなのかどうかを判断するのは難しいわけです。そこで、映像に怪しい影が発見された場合には、診断機器に搭載されている集束超音波を使い、早期に予防的に患部を焼いてしまおうというコンセプトも検討しています。今まで発見できなかった極初期の乳がんに対して予防的な治療をおこなうものです。ただし、予防的な医療に関しては、既存の医療の枠組みにそぐわない点もあり、さまざまな角度からの検討が必須です。このようなコンセプトも、AMDAPで多くの専門家集団にサポートいただけているからこそ検討が可能なのだと考えています。

現在は、がんのステージが進み手術で乳房を切除しなければならないケースも少なくありません。将来は、超初期で乳がんを発見し、侵襲性の低い治療(予防的治療)をセットでおこなえるようになると考えています。乳がんに限らず、画像診断がおこなえる部位なら同様な治療をおこなえるようになるはずです。

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